■ 「トリプルロック奏法」の開発(2023年6月30日) ■


突然夏らしくなり、木々や草花などの緑が爆発的な繁殖を見せる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか? 誠に植物の成長の早さには驚愕させられてしまいます。特に強烈な紫外線をもろともせずに生い茂る「雑草」と呼ばれる植物の生命力と成長力は驚異的で、そばを歩くだけで何か素敵な力をいただいているように感じます。

とはいえ私の場合はあまり自然に触れる事なく日中のほとんどを室内での練習や研究などに費やすのですが、相変わらず様々な発見が続いており、遂に数日前『トリプルロック奏法』を開発致しました。

今月17日にある演奏の機会をいただき、その約2週間前に発見して十分な手応えを確信した内容を発展させたといいますか、それに続く発見を組み合わせたといいますか、要するに『今まで行ったことのない、もちろん習ったこともない(というより「悪い例」として教わった事も組み込んだ)、一般的な「常識」を覆す”新しい奏法”』です。

「新しい」と言っても、それはただ私にとって新しいだけであって、本当に上手に弾ける方は恐らく「はじめから」、このように習って実践している事なのではないかと思います。

簡単に説明しますと、人体の関節というのは可動域がある程度決まっております。例えば肘や膝を伸ばすと、あるところで止まります。これを「ロック」と呼ぶらしいことから、この身体の仕組みを3カ所(① 左肩の位置確定による肘、② 手首、③ 親指)に活用した奏法につき『トリプルロック奏法』と名付けました。

と言っても手首だけは角度的に「ロック」という訳にはいかないのですが、それでもある特定の角度を見つけることで③親指のロックが可能になります。このロックにより「母指球」の力を抜くことが出来る、ということは演奏に大変大きな違いを生む重要な要素となります。

人それぞれ骨格から関節の可動域から何から全て異なるので、恐らくどなたにとっても上手くいく奏法ということにはならないとは存じますが、少なくとも私の場合、「筋肉で支える」から「関節のロックを活用して支える」に変えただけで圧倒的に安定度が増しましたし、格段に疲労度が減りました。

こう書きますとまるでどこの関節でも固めれば上手く弾けるようになる、というような誤解を生じる可能性があるかもしれませんが、もちろんそうではなく、一番近いと思われる例をあげますと『「椅子」がぐらぐらしていたのを、ある特定の部分の緩んでいたねじを締めることによって安定するようになった 』です。

(7月5日 追記: この『トリプルロック奏法』は、2021年4月に書きました「分解から統一へ」の”全体的「統一」メソッド”をさらに完全に発展させたもので、まるでフランス語で言う passe-partout (どのドアの錠も開けることが出来る鍵)のようにほぼ全ての音をこの奏法で無駄な苦労なく弾くことが出来るため、いちいち「このドアにはこの鍵」というテクニックに頭を使う必要が大幅に減る分そのエネルギーを音楽に集中することが出来ます。この「無駄に頭を使う必要がなくなった」ことも、身体への負担が減ったことに加えて、格段に疲労度が減った理由の一つかと思われます。)

もう一つ、先日の演奏をお聴き下さった、私の火災前の楽器の音をご存じで、特に「音色」に特別造形が深い方からいただいたコメントで、嬉しい確信に至りました。それは数年前からうすうす感じてはいたのですが、「火災で焼失したヴァイオリンよりも、購入後から約4年半の間弾き込んで育ててきた現在弾いている楽器の方が音が良い」ということです。(ヴァイオリンはまるで生き物のように、弾くことによって音色が変化します。)購入価格は前の楽器の数分の一でしたが、音色は明らかにこちらの方が豊かで有り難いです。本当に、何から何まで、全て感謝です。

roses 本日、両親の灰が眠るところへ薔薇の花束を持って参りました。いつもブーケに添える一言、今回は「両親祖父母へ 『トリプルロック奏法』の開発! 演奏が大きく前進しました。」でした。

最近一気に気温や湿度が上がり、熱中症対策が不可欠となりました。皆様十分な水分補給や換気などをなさって、どうぞお元気でお過ごし下さい。


伊藤光湖


追記:このページをお読み下さっている私の大切な愛する皆様に是非ともご活用いただきたいのが『「救い」への招き 』の7ページ目です。どうか親愛なる皆様が将来天の御国で神様の豊かな祝福に包まれながら幸せに永遠の時を過ごすことが出来ますように。

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