■ 香り立つ薔薇(2020年6月30日) ■


かつて我が家は全員、大の薔薇好きでございました。3年前より年に数回づつ、毎年薔薇の花を持って両親の灰が眠るところの除草に参ります。昨年までは母が愛したビロードのような深紅の薔薇を持って行っておりましたが、今年はピンクの薔薇の方が(同じ値段で)はるかに立派だったため、そちらを購入致しました。するとお店では気が付かなかったのですが、最近の薔薇としては珍しく豊かな香りが立ちのぼる素敵なブーケでした。

私の大好きな大型の「半剣弁高芯咲き」で気品溢れる程よいピンク色の薔薇(カメラを持っておらず、写真をお載せ出来ないのが残念です)に必ずセットで購入するかすみ草をあしらった花束を抱えて乗った久しぶりの公共交通機関は、中の空気が少ないためか二酸化炭素にむせびそうになってかなり緊張致しましたが、なんとか無事に目的地に到着出来ました。

そして帰り道に屋外で咲き乱れる薔薇の群生を発見し、吸い込まれるように思わず近づいて行きました。それは確かオープン・カップ咲きの濃いピンク色の薔薇で、その花の数の多さと全体像の美しさに息を呑むほど魅了されました。そして香りを確認しようと思って顔を近づけて息を吸い込んだところ、花びらに溜まった朝露が鼻に入ってむせました(屋外で周りに人がいなくて助かりました!)。その薔薇たちはひっそりと静かに、かつ毅然として、上品な香りを力強く放っておりました。他にも様々な種類の薔薇が皆どれも絢爛と咲き誇っておりました。それにしても薔薇という花は、本当にいつ見ても何と気高く美しく、そして魅力的なのでしょう!!

私のような無力な者が様々な試練を乗り越えながらもこれまで生きて来られましたのはひとえに、ご支援ご協力下さった皆様のお蔭でございます。改めて心より深く、皆様にお礼申し上げます。

それではどうぞ素敵な夏をお過ごし下さい。


伊藤光湖


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