■ 雑草に学ぶ(2020年9月9日) ■


『 かぜさんがやさしいから、みどりのにおいをはこんでくれるの 』

これは私が非常に小さかった頃(5歳くらい?)に作った詩です。(ちなみに現在の私には残念ながら詩の才能がひとかけらもありません。)最近実家の土地での除草作業の時に、この詩を時々思い出すことがあります。

実家を解体して空き地になってから3年目になりますが、だんだん雑草の地下ネットワークが増えるにつれて、以前よりも除草にかかる時間と手間も増えました。しかし先日あまりに衝撃的な事実を発見し、今は衝撃を通り越して「感動」致しております。

それは、緑地雑草科学研究所の情報によりますと、「草は刈れば刈るほど増える」らしいということです。今年は除草作業合計時間が62.5時間というこれまで最も頑張った年なのですが、先日「やればやるほど草が増えている」ことに気が付いて調べた結果、気のせいではなく実際に雑草はそのメカニズムによって、除草で本当に増えていくことがわかりました。以下の記事は極めて参考になります。

「茎を2本刈ると6本に再生」(引用元: 「刈り取り」で草が増えてしまうのはなぜ? 緑地雑草科学研究所に聞く(第7回・後半)

もちろんこの事実には衝撃を受けましたが、ただでさえ雑草の凄まじい生命力に畏敬の念を抱いていた上にさらに「刈り取りで草は『若返る』」(!)とか「草は刈れば刈るほど増える」などという驚きの事実を知り、あこがれに似た尊敬を伴う感動と共に私の中の「目指せ雑草!!」度は格段に上がりました。

ということで今までのような方法で除草を繰り返していくと悪化するらしい、 ということがわかった以上、ようやく除草のコツがわかってきたところだったため残念ではありますが、ここは一旦草取りを止めて、様子を見ながら戦略を練らなければなりません。

森林公園を間近に見渡せる、小野津幌川に面した小高い実家の土地の除草作業は景色や空気も非常に爽やかで、私にとっては最高の精神・肉体強化トレーニングでした。それに、手で行う除草作業はヴァイオリン演奏(むしろ練習)と共通点が多いように感じられ、普段は触れる機会のない「土や草」といった自然と触れ合えることは、特に鉄筋コンクリートの建物に住んでコンピューターなどの現代機器に囲まれて生きている者にとっては大いに「自然な演奏」への栄養となったことと思います。

ヴァイオリンに関しては、現在ご時世もあって演奏活動は出来ておりませんが、 体力・演奏面におきましては以前と変わらない、もしくは(除草作業のお蔭もあって)以前よりも強く丈夫になったような気が致します。新奏法もすっかり定着し、長年の試行錯誤の甲斐あってようやく少し「こうすれば安定する」という ”点”のようなものを見つけられたのかもしれません。

私も雑草のような強靱な生命力に溢れる演奏が出来るような人間を目指して、引き続き努力を続けて参りたいと思います。厳しい残暑が続く中、これまでの疲れが出ませぬようどうぞ皆様ご自愛下さい。


伊藤光湖


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