■ (小さな)怪我の(大きな)功名(2021年1月5日) ■


大自然の樹々が冬の間風雪にじっと耐えながらも、時が来ると葉を茂らせて実を実らせるように、人類は様々な事柄を乗り越えつつ力強く2021年を迎えました。新年を謹んでお祝い申し上げます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

数年に一度という冷え込みの厳しい今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は火を使う暖房が使えないため(換気扇を回しても空気の内容が変化するため、一酸化炭素が出る暖房は全て避けております)温度の低いところに住んでおりますが、それでもお蔭様で元気に致しております。

ただ、そのような所におりますと、加湿器と電気パネルヒーターを使いながら練習をしていても、冷えと乾燥のため楽器と接触する部分の手の皮膚が硬くなり、割れてしまうことがございます。年末に弓を持つ右手親指にそのような傷を負ってしまい、いつも通りの持ち方で弓を使うことが困難になったため、臨時に傷を避ける持ち方をあれこれ試しておりました。
jigsaw puzzle
その時、ふと、まるでたまたま選んだジグソーパズルがぴったりとはまったような感覚から、直感的に「より適した弓の持ち方」を発見致しました。これも記憶をたどる限りでは私にとって初めての持ち方で、1年前から取り組んで参りました左手の新しい使い方に対しての、より適切な右手の使い方、という相対的なことなのだと思います。

これぞ正に文字通りの「怪我の功名」、私にとりましてはめでたい年末年始となりました。今思えば約2年前の「奏法変更」の時も、楽器の角度や腕の使い方は変更したものの、弓の持ち方はそのままでした。もちろん、これまで長年に亘って行ってきた弓の持ち方を変えるというのはこれまた大変な挑戦ではございますが、既に十分な手応え(音が違います)があるので、このまま進んでみたいと思っております。

このように「不完全」がいっぱいなお蔭で日々新たな発見があり、変化・進化を続けることが出来るというのはレイト・スターター(遅く始めた者)の特権でございます。お蔭でモーティヴェイション(やる気・意欲・動機)が下がることもなく、
全てに感謝です。

それでは皆様、どうぞ暖かくお元気でお過ごし下さい。


伊藤光湖


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