■ 着実に前進(2019年11月14日) ■


最近いくつかのブレイクスルー(前進・突破)がありましたのでご報告です。

2019年10月始めから、これまで全く(精神的にも)取り組めなかった「編曲」に、火災後初めて挑戦致しております。これは私の精神がここまで回復出来たことを示しております。(ただ、楽譜を書く作業は驚くほど遅いです。)この調子でいずれは再び「作曲」も行いたいと思っております。

2年前、私は火災の直後に最低でも15回以上に亘って、いろいろな方々にフルヴァージョンで火災の説明を致しました。「災害支援者ガイド 〜体と心のケア〜」によるとこれを「(もう一度被害を受けているような体験をさせる)『再暴露』」と言うらしいのですが、私の場合はなぜかそれによる精神的ダメージ(もちろん凄まじいダメージを受けたこともございます)よりも、とにかく「喉」へのダメージが甚大で、その都度いちいち声が出なくなっては寝込むということを繰り返した結果、嗄声がどんどん悪化していきました。

その後、全焼家屋での作業で有害な煤やカビを3ヶ月間に亘って吸い続けた結果、さらにどんどん声が出なくなっていきました。また、人に会う度になぜか頻繁に「質問攻め」に遭い、その度に声が出なくなっては寝込むを繰り返すうちに、ある日声帯に炎症を起こして発熱、10日間寝込んだのをきっかけに外では身振り手振りと筆談を使うようになりました。

嗄声(日によって波があります)は相変わらずではありますが、こうして喉を守るようになってからは、以前の毎回非難される程聞きづらい声だった頃と比べれば、かなりましになって参りました。これも大きな前進です。(ただ、数分間話すとすぐにガラガラ度が増して、喉の痛みと共に聞き取りづらい音声に戻ってしまいます。また、声を出すと喉に無理な負担がかかるのと空気がどんどん漏れてしまうせいか、火災前と比べると何倍も激しく消耗するため、相変わらず「喉」は私の最大の弱点です。)

そして、「二次被害」というものについての知識を得たことにより、自分が何に苦しめられてきたのかを理解することが出来ました。例えば数ある中のほんの一例ですが、『「本人が望まないのに恐怖体験を無理矢理聞き出したり」「思い出したくないことを語らせられる」ことで二次被害が起きる』ということから、『それゆえ例えば「1時間に及ぶ根掘り葉掘りの拷問質問攻め」や、不思議なほど頻繁に受ける「嫌な質問」などが私にトラウマ的ダメージを与え、自分は強いストレスに悩まされ続けてきたのだ』など原因を理解出来ると、自分に起きている現象について「納得」することが出来ます。

これまで「目に見えない傷」に対してきちんと向き合ってこなかったのですが、上記ガイドにある「トラウマによる症状」や、「ハラスメント被害者の心理的回復」といった専門的な文書などを読むことで、自分の現状についても理解することが出来ました。しかもなんと「被害者の約9割」がこのような二次被害を受けるということを知り、ある程度克服出来たような気が致します。これも大きな前進です。

新年のご挨拶と「神様からのご褒美」』にも書きました通り、現実に起きてしまった事実を変えることは出来なくても、「それに対してどう反応するか」を選ぶのはあくまで私です。誰にでも「自分の身を守る権利」があるということと共に、これらの経験を通して学ぶことが出来た数々の貴重な教訓のゆえ、私は全てに感謝致しております。
violon
そして私の右肩に関しては、今年1月には「腱板炎」と「骨棘」という肩の異常のため夜間痛で目が覚める日々を過ごしておりましたが、現在ではこのために奏法を変えたのもあり、全く痛み無く練習・日常生活動作が出来ております。

また、楽器購入当初(昨年10月)から数ヶ月間に亘って見られた右手の感覚異常や振戦(震え)もほぼ無くなり、震えずに音を出すことが出来るようになりました。(ちなみに火災後たまに起きていた「右手が痺れて弓が持てない」という症状は、現在では完全に無くなりました。)これも大きな前進です。

このように約1年以上のブランクに加えて火災前までの奏法を再び完全に変更するという荒業も同時に乗り越えながらの「挑戦」ではありますが、今も試行錯誤を繰り返しながらも弛みない努力を重ねて着実に前進致しております。

さらに今年の10月半ば、より深い音色を出せる「楽器と左手の関係」を発見し、少しでも良い音を出すため一切の妥協なしに、これまで一度も行ったことの無い指や手の使い方(「学校」や「先生」から習ったり、ヴァイオリンの「教科書」に書いてある方法とは異なるため、私にとっては「革命」です! )に不屈の精神で果敢に挑んでおります。

私は音楽の力を信じており、『 音楽による世界平和への貢献 』という夢があります。何事もやってみなければわかりませんが、いつの日か(そのための「基盤作り」にまだまだ時間がかかりますが)演奏活動に復帰出来る日が来るよう、納得のいく演奏を皆様にお届け出来るようになるための研鑽と努力をこれからも精一杯続けて参ります。

改めて、これまで応援して下さった皆様に心より深く感謝申し上げます。ありがとうございます。


伊藤光湖


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